ボディタッチ=脈ありと思ったら要注意?部活・サークルでの誤解
部活やサークルで触れられてドキッとしても脈ありとは限らない。誤解しやすい理由と触れていい範囲を解説。
触られてドキッとするのは自然。でもそれは脈ありのサインじゃない
肩や腕に触れられて、心臓が跳ねる。これは自然な反応です。
でも、ここで整理しておきたいことがあります。
体がドキッとするのは、「不快じゃない相手だから」という反応であって、「好きだから」という反応ではありません。
生理的に受け付けない相手なら、触れられた瞬間に体は引きます。逆に、それがないというだけの話です。
部活の後輩に肩を叩かれても、クラスの仲がいい友達に腕をぽんと当てられても、同じ反応は起きます。
そこに「脈あり」の意味を足しているのは、相手じゃなくて自分の頭のほうです。
ドキッとした事実と、相手の気持ちの事実は、別物として分けて見る必要があります。
好きな人には触れないのに、そうでもない相手には自然に手が伸びる
部活の後輩に「お疲れ」と肩を叩く。仲のいい友達には、ふざけて腕をつかむ。
でも本命の隣に座った瞬間、腕一本分の距離を保ってしまう。
打ち上げでみんなが肩を組んで写真を撮っているとき、本命の番だけ一歩引いて、肩に手を置けない。
グループLINEで「ちょっと触ってきたw」と報告できるのは、たいてい好きじゃない相手の話です。
これは偶然じゃありません。自分から触れられるかどうかは、相手への気持ちの強さと逆に動きます。
軽い相手には失敗しても平気だから、手が先に出る。本命には「変に思われたら終わる」が先に立って、体が止まる。
だから「触られたかどうか」を見る前に、「自分は触れているか」を思い出してほしいです。答えは、たぶんもう出ています。
触れる範囲は、会う回数じゃなく「仲の良さ」で最初から決まっている
Suvilehtoたちが5カ国の1,368人に、人体の絵を見せて「この人なら触られてもいい部分」を塗ってもらった調査があります。
触っていい面積を決めていたのは、その相手との仲の良さでした。しかも、最後に会った時期や会う頻度は、面積をまったく予測しませんでした。
調査データ
関係なし
触っていい範囲と「会う頻度」の関係(5カ国・1,368人)
毎日同じ部活で顔を合わせていても、仲が深まっていなければ触れる範囲は広がりません。逆に、たまにしか会わないのに肩や頭に触れられる相手もいます。
塗られた範囲は、関係ごとにはっきり分かれていました。
腕や肩を触られたなら、それは「仲のいい知人に許される範囲」に自分がいるという意味です。パートナーの範囲とは、別の場所です。
つまり触れることは、仲の良さの「結果」であって「原因」じゃない。先に触って仲を深めようとしても、順番が逆なんです。
「触られた=好かれてる」と思うのは、測定されているクセ
触られてドキッとするのは自然な反応です。ただしそれは、脈ありの証拠ではなく、読み取り方のクセです。
La Franceたちが28件の研究(合計3,631人)をまとめたところ、同じ相手の同じふるまいを見ても、男性の評価者のほうが「誘っている」「性的な意味がある」と読み取る傾向がありました。Abbeyが男女5分間の会話を観察させた実験でも、同じ結果が出ています。
調査データ
r = .15
性別と「性的な意味に読み取る強さ」の相関(28件・3,631人)
ただしr = .15は小さい値です。「男子は全員勘違いする」という話ではありません。同じ場面を見たとき、少しそっちに寄って読む人が多い、という程度です。それでも、自分が今その1人かどうかは自分では分かりません。
もうひとつ。Fisherたちが図書館で、貸出のときに職員が学生の手に一瞬触れる実験をしました。触られた学生は、職員と図書館そのものの評価が上がりました。ただしこの効果がはっきり出たのは主に女子の被験者で、男子では一様ではありませんでした。
調査データ
57%
触られたことを自覚していた人の割合(残りは気づかないまま評価が上がった)
半分近くが、触られたことに気づいていません。それでも評価は動いています。つまり触れることは、お互いの意識の外で働いています。だから「わざわざ触ってきた=意識してる」という推論が、そもそも成り立ちません。
教室で肩がぶつかった、部活の後片付けで手が触れた。その一回を「脈ありサイン」に当てはめて数えるのは、もうやめていいです。
ちなみに、ネットのボディタッチ記事でよく見る「腕に1〜2秒触れたら承諾率が43%から65%に上がった」という数字は、元の論文が撤回されています。同じ著者は他の論文でも撤回や懸念表明を受けています。調べてみて、これは書けないなと判断しました。
今日からは、触る相手を選ぶだけでいい
自分から触るのは、好感度を上げやすい行動です。Cruscoたちが飲食店で、店員が釣り銭を返すときに客の手か肩に一瞬触れる実験をしていて、チップ率は触らない場合より確かに高くなりました。手でも肩でも差はありませんでした。
でも効果的なのは「触ること」じゃなく、「誰に触るか選ぶこと」です。
範囲はここまでにしてください。肩と肩がぶつかる。手と手が触れ合う。それ以上はやらない。
腕をずっと掴む、肩を抱く、頭を触る。まだ親密でもない相手にこれをやるのは、逆効果というレベルじゃなく、やってはいけないことです。男子でも女子でも同じです。
これは大げさな話じゃありません。「ボディタッチ」と検索したときに一緒に出てくる言葉を集めてみたら、こういうものが並んでいました。
だから、触っていい場面は自分で作らないほうがいいです。教室で消しゴムを渡すとき、部活で列に並んでるとき。自然にそうなる場面だけでいい。
そこで肩が触れて、相手が離れないか、笑うか。それだけ見ればいいです。
触れることは、好きになってもらうための行動じゃない
ここまでの話は、告白の話とまったく同じ形をしています。
告白は好感度を上げる行為じゃなく、上がりきった好感度を確認する作業。触れることも同じで、仲を深める行動じゃなく、すでにある仲の良さが表に出ているだけです。
だから「触れば距離が縮まる」の順番は逆。焦って肩を叩いても、その前の会話や接点が足りなければ何も変わりません。
正直、ここで不安になる気持ちは自然です。でも確認すべきはボディタッチの回数じゃなく、その前にどれだけ話してきたか。
そこさえ積めていれば、順番は間違っていません。
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