若者の恋愛離れはなぜ?中学・高校・大学が同じ年にピークだった
恋愛離れは本当。でもピークは平成17年、中学・高校・大学が示し合わせたように同時期だった。
恋愛離れは下り坂だと思われているが、実際は山型だった
「若者の恋愛離れ」と聞くと、ずっと右肩下がりのグラフを想像すると思います。
自分もそう思っていました。でも国立社会保障・人口問題研究所の出生動向基本調査を見にいったら、話が違いました。
18〜34歳の未婚者で「恋人として交際している異性がいる」と答えた割合には、はっきりとピークがあります。男性は2005年の27.1%、女性は2002年の37.1%。そこが頂点で、そこから下がっています。2021年には男性21.1%、女性27.8%になりました。
つまり平成の前半から中頃にかけては、むしろ増えていた時期だということです。
「恋愛離れ」は下り坂じゃなく、山型でした。ピークがあって、そこを越えてから減り始めています。減っているのは事実。でも最初から減り続けていた、という話ではありません。
中学生も高校生も大学生も、示し合わせたように同じ年にピークを迎えていた
日本性教育協会の調査を見にいくと、面白いことが分かります。
中学・高校・大学、男女6区分すべてのキス経験率が、平成17年に一斉にピークを迎えていたのです。
調査データ
平成17年
中学・高校・大学の男女6区分すべてで、恋愛にかかわる経験率がそろってピークを記録した年
学年も男女も違う6つのグループが、示し合わせたわけでもないのに同じ年に頂点をつけています。
大学生の男子で見ると、昭和49年の45.2%から上がり続けて平成17年に73.7%。そこから平成29年には59.1%まで落ちています。上がりきって、折り返しています。
これはもう、個人の頑張りやモテる・モテないの話ではありません。
教室でうまくいかない自分を責めていた人ほど、この事実は引っかかるはずです。
年齢もクラスも違う全員が同じ年に落ち始めたなら、原因は個人の中ではなく、その年を境に社会の側で何かが切り替わったと考えるほうが自然です。
減っているのは本当。でも「できないから減った」では説明しきれない
恋人がいる割合は、2002〜2005年をピークに下がり続けています。これは否定しません。
教室や部活を見渡しても、彼氏彼女がいる人の数は昔より少ない。これも本当です。
でも「減った=できなくなった」と決めつけるのは早いです。
調査データ
約3人に1人
交際相手がいない人のうち、そもそも交際を望んでいない割合
つまり交際相手がいない人の中には、「欲しいけどできない」人だけでなく「今は欲しくない」人が最初から混ざっています。
この2つを分けずに「下手になったから減った」と片付けるのは、数字を見ていない証拠です。減っているのは事実。でも理由はもう一段深いところにあります。
令和に変わったのは、恋愛の量じゃなく出会い方だった
平成は「減り始めた時代」でした。令和は、それとは別の変化が起きています。
出会いのきっかけが入れ替わったんです。ネット経由が、初めて見合いを上回りました(前回の記事で扱いました)。
昔は「誰かに紹介される」「たまたま同じ場にいる」がほぼ全てでした。今は教室の外、部活の外にも出会いの入り口がある。
グループLINEのメンバーが増える、フォロワーの知り合いとつながる。こういう経路が普通になっています。
つまり、恋愛そのものが減ったというより、出会う場所が学校の教室から画面の中にも広がった、という話です。
減った理由を「量」だけで語ると、この経路の変化を見落とします。
変わったのは性格じゃなく、置かれている条件のほう
減っているのは事実です。でも、それを自分の性格のせいにするのは違います。
ピークが来た年に生まれていたら、教室の空気も、行事で話しかける口実も、今とは違うものになっていました。今の自分が下手になったわけじゃなく、順風の年に生まれなかっただけです。
グループLINEで既読が止まる。文化祭の出し物を決める話し合いで、隣の席の子と目が合わない。これは性格の弱さじゃなく、今の教室に流れている空気の話です。
風向きは自分で選べません。でも、向かい風の中でどこに立つかは選べます。
時代のせいにして終わるのも、自分のせいにして終わるのも、同じくらい違う。 条件が向かい風なら、その中で動ける場所を探すだけです。脚力の問題にしなくていい。
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